去年の5月、ちょっとした転機があり、そこから心の余裕が出てきたおかげでいろいろと吹っ切れ、
ここ1年ぐらいの間に今までの人生でしたくてもできなかっ
たこと徐々に好き勝手やれる機会が増えてきました。
一人で映画観に行ったり、悩みながら服を買ったり、初めて
Amazonを使って便利さに感動したり、ゲームを勢いで買っては
積みゲーを増やしたりしていくなかで、気になった漫画を迷い無く買って読む、というのをする事ができはじめました。そんな当たり前の生活ができずにいた。
今までどれだけ抑圧されてたんだって話です。
やっと普通の人間に近づけたような気がします。
というわけで、ここ一年くらいの間で読んで面白かった漫画を自己満足で紹介します。
あくまで最近刊行された漫画ではなくて、自分が1年ちょっとぐらい前から今の間に読んだ漫画です。
なるべく自分が面白いと思った漫画の魅力がそのまま直に伝わるように書いているつもりですが、ネタバレを避ける+語彙が少ないので抽象的だし長いしで読みづらく、
選出も有名な作品ばかりになってしまったのですが、少なくともN ○VERまとめよりも役に立つぐらいにはなってるはずと信じたいです。よろしくおねがいします。
前置きも長いですが本文も長いです。よろしくお願いします。
日露戦争最大の激戦地203高地を生き延びた元陸軍人・杉元佐一は、戦死した親友の願いを叶えるため、大金を求めてかつてゴールドラッシュにわいた北海道で砂金を集める生活をしていた。
そんな彼に、かつてアイヌの一派が集めた埋蔵金とその居場所の手がかりになる24人の入れ墨の脱獄囚の話が転がり込む。
千載一遇のチャンスに歓喜したのも束の間、刺青に執着した為に羆(ヒグマ)に襲われ危機に陥る杉元。
彼を救ったのはアイヌ族の女性アシㇼパだった。彼女もまた、その埋蔵金と因縁がある事を知った杉元は、彼女に手を組もうと持ちかける。
埋蔵金の在処を示す刺青人皮を巡って陰謀と策略が渦巻く一大サバイバルバトルが開幕した!
引用元 pixiv百科辞典(ゴールデンカムイ)
いきなり有名所。アニメ化決定だってね。でも僕は、アニメ化、できるのか…?と不安で気が気じゃないのであまり快く迎え入れられません。日和って半端に規制かけたら一瞬で勢いが消えてしまう漫画だとは思っているので…。そもそも超面白いけど、この漫画がすごいに選ばれたのが不思議なくらい人を選ぶ漫画だとは個人的に思います…。
基本的に
埋蔵金をめぐって繰り広げられるサバイバル漫画なんですが、その一言では表せられないくらいの多彩な面を持つ漫画。
タイトルの「カムイ」や北海道が舞台、ということで
アイヌが中心的に出てきますが、
アイヌの事を知らないからといって面白さが半減することなく楽しめます。
無知の状態から読み始めても
アイヌの文化、例えば狩りの方法とか、食事、風習、衣服、言語、生活、道具、など、読みながら学ぶことができるのでとても学べる事多いしすごく面白い。
それに加え、動物(熊とか鹿とか)の習性や生態が詳しく描かれており、その動物たちをどう狩って仕留めていたかとか、あまり普段では触れない文化の知識を得られる。
知的好奇心を刺激する漫画って面もあり読んでて楽しい。
で、まあ、狩猟なので、当然食べるんですよね、熊や鹿を。
ゴールデンカムイが一番注目される内容として、このグルメ要素なんですよ。リス、ウサギ、カワウソ、馬、ワシ、鯱、アザラシ etc...を、食べます。
皮を剥いで肉を刻んで目玉や脳みそをそのまま食べたりとグロテスク。
アイヌの食文化を学べるし、何よりその料理が意外にも美味しそうで、
グルメ漫画としても楽しめる。
知識欲を刺激しつつ、ロマン溢れてわくわくするので気分も最高に上がる。
ただ、ウサギの目玉くり抜いて、リスの皮を剥いでとか、そのグロテスクさは序の口で、本当にエグいのは人に対する血なまぐさいシーン。
熊に襲われ顔の皮が削られたり、人の皮剥いだり、銃で顔面撃ち抜かれたり、腸抉り出したり、耳削ぎ落としたり、こう書き並べるだけでアニメ化できんのか…?と不安になってくる。こういう描写があるため、人を選ぶよなあと。
ただ、その過激な描写があるからこそ、肉弾戦や銃撃戦が鬼気迫り、緊張感があり、殺すか殺されるかの切迫した状態での心理戦も盛り上がり、まさに極限のサバイバル。命を削りあう熱い戦闘。それもひとつの魅力。
更にもうひとつ最大の魅力としては、ギャグ漫画としての一面も持っており、特に上記のゲテモノグルメを食べる時の杉元(主人公)の嫌がる表情や、扉絵で笑わせて来たりとか、余すところなく楽しめます。特に、ヒロイン枠アシ
リパさんの顔芸はおよそヒロインではない表情の崩壊っぷりで、そこも
ゴールデンカムイの名物の理由の一つ。
そんな気の抜けるようなギャグ要素が鬼気迫る気を張る戦いの合間に挟まれていてこの緩急の差が良いバランスで引きこまれます。
まあ、つまり、長々とここまで書き並べましたが、つまりどういう漫画かと聞かれれば、
野生動物の生態が知れる狩猟漫画として、または金塊を手に入れるため激しく殺しあうバトルアクション漫画として、またはサバイバル漫画、時にはアイヌの文化を学べる教養、うさぎやリスを食べるゲテモノグルメ漫画要素、そしてぶっ飛んだギャグ漫画と、めちゃくちゃ多彩な要素がつまっており、一度で何度もおいしい漫画で、その全部の要素を詰め込んだまま勢いで駆け抜けます。なので読後の充足感がすごい!!!
読みながら知識がついていくのも好奇心をそそるし、
マンガ大賞にもなりアニメ化も納得なのですが、やっぱり人を選びます。
アニメ化失敗しなければいいね…。おもしろいところがほとんど規制されそうなところばかりなので心配です…。
野球推薦で山形の如月高校に進学してきた筒井雪隆。念願だった一人暮らしの新生活に期待を膨らませ新居にたどり着く。しかし、そこには自らを宇宙人と名乗る記憶喪失の青年が住み着いていた。彼の言うことなど相手にしていなかった雪隆だが、次々と奇怪な出来事に巻き込まれ、彼の地球人離れした能力を目の当たりにして…。 引用元 アニメ レベルE 1話あらすじ
今更ながら読みました。
その2作が好きなので絶対はまると確信して読んだのですが、
面白すぎて脳が溶けるかと思いました…。
全3巻と短いのに、内容の濃さに驚く。オムニバス形式ですが、すべての登場人物や時系列が繋がっている。そういうのワクワクしますよね。各話気色も違い、SF要素、ミステリ要素、コメディ要素、冒険要素、読んでいる側がワクワクするやり方全て取り揃え、それぞれがそれぞれ面白くて最高。冨樫先生の天才性を直に感じることができる。
いい意味で裏切られて最高。ストーリーだけでなくキャラクターも素晴らしく愛おしく微笑ましい。
僕の語彙がなくておもしろい要素一つも説明しきれないの悔しい。読むたびに脳が喜ぶというか、読んでいて気持ちいいというか、今まで感じてきたおもしろいという概念を更新するぐらい面白さが別格。もっと早く出会いたかった…。
ディープなSFや心理戦をしたり読みながら騙されたりする一方で、ところどころ挟まれるギャグとテンション高い突っ込みと派手なリアクションが楽しい緩急を生んでいて、楽に読んでものめり込んでもどっちも面白い。
個人的大好きなのがカラーレンジャー編。巻き込まれた小学生5人が
RPGの世界であれやこれや奮闘させられる話ですけど、漫画内で始まるゲームの設定とか小学生5人のキャラクターとしてのかわいさとか、すごく好き。
後のH×Hのグリードアイランド編につながる面白さ。
全3巻しかないので何度もすぐ読み返せるし、何回読んでも面白さが薄れず、読み返す度に新しい面白みの要素が生まれるくらい傑作です。
主人公の少年「蒼月潮(通称:うしお)」が妖怪「とら」と共に、妖怪退治の槍「獣の槍」を武器に、最強最悪の大妖怪「白面の者」と戦う姿を描く。「うしお」と「とら」の出会い、「獣の槍」と「白面の者」との戦いは全くの偶然のようであったが、物語が進むにつれて、それぞれの深い関わり、長きに渡る宿命が明らかになっていく。 引用元 Wikipedia(うしおととら)
(たまに伝わらない時があるので
鋼の錬金術師とも答えてました。)
とにかく伏線の回収が素晴らしく、登場人物が多いにも関わらず敵味方関係なくほとんどに活躍するスポットがあり、最終的な着地が綺麗で、壮大な世界観にも関わらず、きちんと風呂敷をたたみ切る作品が大好きで、
藤田和日郎先生はそこが得意ですごくテンションが上がります。
特に
うしおととらは終盤、30巻近く今まで張った伏線を収束させていきながら、各地点々として助けて来た人たちが集い、協力し合い、総戦力でラストのボスに立ち向かう胸が熱いシーンがあるのですが、本当に感動的です。そして、少年漫画なのでとにかく熱い!!
主人公のために今まで出会ってきた人たちが集って協力してラスボスに立ち向かう展開、大好きで無条件で泣いてしまう。
実直で多少向こう見ずな勇気ある主人公のうしおに心打たれっぱなしですし、最初は敵対していた妖怪のとらが段々とうしおに協力的に献身的になっていき、最後、最高で
最強のふたりになる、バディものとしても最高の出来となっています。最終決戦、読みながら涙が止まりませんでした。仕事先に向かう電車の中で読んだのですが、電車の中で号泣してしまい恥ずかしかったです。
最初は仲悪いコンビが戦いやトラブルに直面してイヤイヤ協力していくうちに最終的に2人だけの信頼や友情や連帯感が芽生え誰も敵わないほどのコンビになる作品、絶対面白いに決まってるでしょ!!!
とにかく伏線を回収する怒涛のラストには驚きと
カタルシスの気持ち良さがありますし、
うしおととらの友情には心が温かくなりますし、うしおの真っ直ぐな姿には心が浄化していきます。
妖怪退治というと、おどろおどろしくあってグロテスクなシーンも多く、一見とっつきにくい内容であるかもしれないけど、ぜひともいろんな人に読んで欲しいので好きな漫画の一つとして
うしおととらを
推したいと思います。
ちなみに前々から読もう読もうと思っていて後回しにするのが続いてたのですが、職場の趣味が合う40代の人に強く勧められて読み始めて見事にはまりました。読む切っ掛けを与えてくれて感謝です。今の仕事で得た知識の中で、実際に役に立ち感謝してるのは静岡出張に行った時に教えてもらったハンバーグレストランさわやかの存在と、
うしおととらの存在、この2つ、この2つのみです。
見たこともない物語のはじまり、はじまり前代未聞の漫画ここにあり! 2年の沈黙を破って、九井諒子ワールドの幕がふたたび開く。竜と人、人魚と野球少年、神様と小学生――それぞれの絆を題材とした過去の6作品に加え、全38ページの新作描き下ろし作品を収録。笑いあり、涙あり、きっとあなたが忘れていた、親と子の絆を思い出す7つ物語。収録作品:『竜の小塔』『人魚禁漁区』『わたしのかみさま』『狼は嘘をつかない』『金なし白祿』『子がかわいいと竜は鳴く』『犬谷家の人々』 引用元 コミックナタリー九井諒子特集
九井諒子さんといえばダンジョン飯が有名ですが、短編はまた違った味を持っていてひたすらに夢中になります。
日常の生活の中にファンタジー、異世界を違和感無くとけ込ませるのが自然で、竜や人魚、狼男など架空生物のいる暮らしが不思議と身近なそんな存在に錯覚する。
ファンタジーが異常な存在のものとしてではなく日常にとけ込んでいる。その上で、心の葛藤とか、ハートフルな話とか、異世界生物との共存や待遇の差、ほのぼのとした話、人情を中心に多彩な物語の運び方をしていて心地良い。
この短編集では7つの話が収録されているけれど、どの話も舞台や作風や画風をそれぞれがらっと変えており、すごい。表現力に驚く。
特に個人的にすごいと感じたのが「狼は嘘をつかない」という話で、はじめはゆるい絵柄でよくある育児日記のパロディしながら架空の病気にかかった息子の闘病子育てエッセイからはじまり、後々にそれが劇中劇であることがわかるんですが、そこからハートフルな展開に持って行ってて、こんな表現方法あるんだと度肝抜かれました。
他にも、時代も絵柄もがらっと変えられた「金なし白碌」や、舞台が西洋のファンタジー「竜の小塔」、人魚が当たり前に存在してる世界「人魚禁猟区」、ドタバタとしたコミカルなコメディ「犬谷家の人々」と様々な表現方法で描かれる心にぐっとくる全7編。
かわいくて奇麗な絵柄に緻密な書き込み、しっかり作られた世界観と日常生活に密接したファンタジー、架空の生物達のリアリティ、それを様々な角度から表現できる技量と、緊張感と脱力感のバランスの程よさと、独特の発想力と、引き出しの数。
天才です…。他の短編集「引き出しからテラリウム」、「竜の学校は山の上」もオススメです。もちろんダンジョン飯も。九井諒子さんの作品が読める時代に生まれてよかったと心底思います。
各話のあらすじはコミックナタリーでの特集ページにあるので興味ある方は。 →各話あらすじ
研究所から逃げ出したこびとの少年ヨルとネル。夜の街を、留守中の家を、草むらの中を、ふたり一緒に駆け抜ける。楽しくも不安な逃亡の日々は…。
引用元 ヨルとネル | 秋田書店
ファンタジックでかわいらしくゆるい脱力系のギャグ4コマとは裏腹に、読み進める合間合間に不穏な雰囲気が見え、癒されたり笑わされたり心苦しくなったりする。
2人の掛け合いや距離感が丁度良く微笑ましく、自然に親密で尊く、キャッキャとふざけあって理想的な友情の形で楽しい。同じ作者の作品バーナード嬢曰く、でもそうだったけど、美しさを感じます。
楽しい和やかな旅のような逃亡生活。読み進めると不安感で満ちてくるような悲壮感や切なさの割合が多くなって最後の最後、衝撃と悲しさで手を震わしながら読んでいました。
一冊を通して、一つの映画を見たかのような重量感と悲しい余韻が残る。
2人が仲良くふざけあって笑い合って楽しげにすればする程、読み進めながら心がさみしくなってくる。
基本的に2人だけしか出てこない心もとない旅路で、2人だけの楽しげな雰囲気と終盤にかけての絶望的な展開は広義的にセカイ系とも呼べるのでは……。
読む人によって解釈や感じる事が違うと思います。
メリーバッドエンドな作品。悲劇的と見るか幸せと読むか。メリバ、大好きなんですよ。みんなも好きでしょ?メリバ。
破滅的な終着点を考えず希望を抱き旅する逃亡生活。もちろんギャグ漫画としても楽しいし絵柄も2人もかわいいので多様な面から楽しめる印象深い作品。
奥田民生を崇拝する33歳、コーロキ。
おしゃれライフスタイル雑誌編集部に異動になったコーロキは、慣れない高度な会話に四苦八苦しながらも次第におしゃれピープルに馴染み奥田民生みたいな編集者になると決意する!そんな時、仕事で出会ったファッションプレスの美女天海あかりにひとめぼれ。その出会いがコーロキにとって地獄の始まりとなるのだった…。あかりに釣り合う男になろうと仕事に力を入れ、嫌われないようにデートにも必死になるが常に空回り。あかりの自由奔放な言動にいつも振り回され、いつしか身も心もズタボロに…。コーロキはいつになったら奥田民生みたいな「力まないカッコいい大人」になれるのか!?
そしてもがく先にあかりとの未来はあるのか!?
引用元 映画「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」公式サイト
俗な言い方で端的にまとめれば、
サークルクラッシャー的女に翻弄された男たちが狂わされていくという話で、タイトルそのまま。タイトル通りそうとしか言えない話なのでまあ、そうだねって感じです。
絵の粗さはあるけど、途中からぐいぐいと引き込まれる熱量がすごい。
奥田民生の生き様や歌を心の拠り所にしている主人公がサブカルまみれのシャレオツ仕事現場でのたうちまわりながら立ち向かうのですが、
奥田民生もサブカル要素も記号的扱いなのでそんなに知らなくてもついていけます。
奔放な女に振り回される主人公の一喜一憂が痛い程滑稽で笑いと恥ずかしさが同時に押し寄せる。
不安になってLINEなんかも何回も見直したり送り直したり好きな子が他の人とイチャイチャしてムッとなるところとか、彼女(狂わせガール)の声のトーンが少し下がって表情が硬くなるとみっともないくらい取り乱したりとか、連絡がつかなくなった不安感で気が狂いそうになったりとか、連絡取れなくなった彼女の
SNSアカウントを特定するために
ハッシュタグ検索し彼女と繋がってそうな人のいいね欄経由で探し当てる流れとか
ナチュラルに気持ち悪いことしてて笑う。自分もよくやりますけど。
精神構造がそっくりでまるで自分を見ているような気がして共感しつつ笑いつつも、胸が痛い。
物語の展開、特に最後のあたりや後日譚なんかは正直好かないのですが、狂わせガールの魅力に弄ばれ転がされるあたりの主人公を見ているだけでも充分に面白いので、まあ、、、。
9月半ばあたりから
大根仁監督で実写映画化してますが、ガール役に
水原希子さんというのはちょっと違和感が。自分的にはもう少しゆるふわ感ある子、例えるなら
桜井日奈子ちゃん的な子を想像していたので。
主人公は妻夫木くんでいいと思います。この物語の主人公、精神的に僕と似ている要素ありますし、妻夫木くんと僕も似てる要素ありますし。ほら、目の数とか…。
以上6作品。あと8作品あります。長いんで前編後編に分けました。
ながいよ!8000文字って何!?もっと手軽に読めるようにしたかったですね。まあ、熱量感動そのままにと思ってあまり大きく推敲していないし、好きなもの語る時に饒舌になるのは仕方ないよね。全部読んでくれた物好きか暇人の方、ありがとうございます。
本当は6月くらいに投稿しようかと思っていたのですがちまちまと書いてたらこんなに遅くなってしまった。遅くなりすぎた。駄目だ。何をやらせても駄目。自己満足すら充分にできない。本当に駄目。こうやって僕は周りから遅れ人生行き遅れていく。
後編書きました